ふじさんの小部屋

きまぐれにショートストーリーを載せます

ゆっくりと流れる通勤電車の車窓から外をぼんやりと眺めていると、梅の花が咲いているのが目に入った。 「東風吹かば匂い起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」 梅の花を見ると、この和歌を思い出す。 この和歌の事を知ったのは、高校の古典の授業だったと思…

「桜の樹の下には死体が埋まっている」 子供の頃にそう話をしてくれたのは祖父だった。 それを聞かされた時の俺の感想は「そうなんだ、知らなかった」でも「だから、あんなに綺麗な色なんだね!」でもなく、「あ、この人は人を殺した事があるんだな」だったのを覚え…